中国湖南省の長沙市。バイトでお金を稼ぎながら、客室乗務員目指して勉強に励むリン。郊外で診療所を営んでいる両親は、死産の責任を追及され賠償金を迫られていた。ある日リンは、自分が妊娠一ヶ月であることを知る。お腹の子の父親と別れたばかりのリンは子供を持つことも中絶することも望まない。彼女は両親を助けるため賠償金の代わりに 生まれてくる子供を提供することを決心するのだが…。
米批評サイト“ロッテントマト”で批評家の94%、観客の100%の支持を得る(2024年12月14日現在)など、世界各地で絶賛がやまない本作。中華圏映画のアカデミー賞と称される“金馬獎”の作品賞、編集賞を受賞し、ベネチア国際映画祭「ベニス・デイズ部門」、トロント、香港、BFIロンドン、ニューヨークなど、本作は世界の主要映画祭が絶賛、8受賞11ノミネートされている。
これは『TAR/ター』(22)、『バービー』(23)、『哀れなるものたち』(23)と続くハリウッドの流れや、英国映画協会(BFI)が10年に一度発表する「史上最高の映画」として 『ジャンヌ・ディエルマン ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地』(75)が選出され再評価されるなど、フェミニズム映画が注目されている近年。その潮流を予告するかのように、『卵と石』(12)、 『フーリッシュ・バード』(17)と、長年にわたって“女性と性”というテーマを描いてきたのがホアン・ジー監督と大塚竜治監督だ。世界中で高い評価を受ける両監督が、本作でも入念なリサーチをもとに、現代の中国を生きる女性の姿を静謐なタッチで描き、世界各地で起きているジェンダー問題とオーバーラップしているかのごとく、現代のあらゆる女性が抱える問題に警鐘をならし、重々しい『石』の『門』を開く一条の光を求める (「卵と石」「フィーリッシュ・バード」は本年公開予定)
★中華圏のアカデミー賞 金馬獎とは
『石門』は2023年 11月に行われた金馬獎(審査委員長アン・リー)で日本資本の映画として初めて作品賞を受賞した。 台湾で行われる同賞の過去の作品賞には、1991 年の『牯嶺街少年殺人事件』(エドワード・ヤン)、2000 年の『グリーン・デスティニー』(アン・リー)、03 年の『インファナル・アフェア』(アンドリュー・ラウ)、07 年の『ラスト・コーション』(アン・リー)、20 年の『1 秒先の彼女』(チェン・ユーシュン)などがあり、監督賞では、前述の各監督の他、キン・フー、ツイ・ハーク、ジョン・ウー、ホウ・シャオシェン、ウォン・カーウァイ、アン・リー、ツァイ・ミンリャン、チャン・イーモウら、アジアを代表する錚々たる監督が名を連ねている。
10カ月の撮影を終える直前にコロナが発生し、撮影は中断を余儀なくされました。その時、私たちは主人公のリンと同じように現実の中で迷い込み、出口を見失ってしまいました。しかし、最終的にその経験がリンの抱える痛みに寄り添い、彼女と共に重い扉を開くきっかけとなり、映画に新たな光を灯すことができました。ぜひ、映画をご覧ください。
本片的另一位导演大冢龙治,我们即是合作伙伴也是夫妻。某天他告诉我:“我们拍10个月吧。”这是一个孩子穿越“生育之门”的时间,也是这部电影出生的时间。很高兴它能推开石门去见到日本的你。
この映画の共同監督である大塚竜治は、私のパートナーであり、夫でもあります。ある日、彼が言いました。「10ヶ月間撮影しよう。」それは、妊娠から子供が生まれるまでの時間であり、この映画が生まれる時間でもあります。この映画が石の扉を開けて、日本の皆さんに届くことを嬉しく思います。